ピアニスト 出井愛 オフィシャルウェブサイト Mana Dei Official Website

 

Czech Republic

チェコのページ

ヨーロッパの宝石箱と言われるチェコ共和国。
中世の街並みが残る首都プラハには、街を見守るプラハ城、石畳の小路が続き、ゆったりとヴルタヴァ川が流れています。また、モーツァルトを愛した街、プラハで行われる『プラハの春 音楽祭』には、世界中から沢山の音楽ファンが訪れます。

そんな素敵な街、プラハで行われた夏期セミナーに参加したことが、チェコ共和国と私の出逢いでした。
どこを撮影しても絵葉書になるような趣ある景色、また、観光地はもちろんのこと、居酒屋やレストラン、あらゆるところに音楽が溢れ、人々の笑顔と温かさに心が弾み、ときめいたのを覚えています。

チェコ写真01

チェコの人々や文化に触れたことで、チェコの音楽にとても興味を持ち、ある作曲家の作品に心が魅かれました。

 

チェコ写真02

 

レオシュ・ヤナーチェク(1865-1928)

『ピアノソナタ1905年10月1日街頭にて』

この作品を聴いたとき、遠く離れた異国の地の作曲家の魂が、私の魂を揺さぶる様な感覚になり、自然と涙がこみ上げました。
この曲と出逢えたからこそ、今の私の音楽人生があると言っても過言ではありません。

 

 

 

 

留学中、首都プラハだけでなく、チェコ西部のボヘミア地方、東部のモラヴィア地方と時間のある限り、町や村へ行き、伝統的な村祭りや教会のミサ、時には小さな村の音楽隊に混ざり、楽器を演奏させてもらい、人々の生活を肌で体験しました。また、お酒を交わしながらチェコの人々の温かさや、言語の大切さ、歴史の残した文化を感じました。そしてどこでも“音楽”が人々の心を繋いでいました。

チェコ写真03

ヨーロッパに「チェコ人と言えば音楽家」と言う言葉がある通り、観光地だけでなく、小さな村でも、ホスポダ(居酒屋)に入れば、アップライトピアノがあり、夕方になれば、ギターやバイオリンを持った人々が集まり、ビールを片手に楽しくその日の疲れを吹き飛ばします。 
心から楽しむ人々の姿から、これこそが本来の“音楽”なんだと気がつかされたのも、チェコ留学中の大きな経験となっています。

チェコ写真04

何年もの間、隣国に支配され、母国の言葉も自由に使えなかった歴史がありながらも、音楽が人々を繋ぎ、大きな心の力となったチェコの音楽を、日本にも届け、聴いてもらいたい。
そんな想いでチェコ音楽を演奏しています。

チェコで学んだ“音楽”の意味を常に発信できるピアニストでいられるように。

2015年1月